人生は有限

この人生が この生活が 健康で 平和で 家族揃って
ずっと続くような錯覚をしてるんだけど

だけど現実は違う
おめでたいことに 私達は忘れてしまうことが多々ある

本来忘れるという事も 人として生きていく上で大切な事だと 誰かか言っていたような気がするけれど
まぁそんな事は今どうでもよくて

去年 義理弟の嫁が亡くなった
癌だったそう 亡くなる半年前に転移が見つかって
あっという間にこの世を旅立ってしまった

30代とまだまだ若く 私と同世代
長身でモデルの様な体型と美貌 最新のファッション 長い指 艶のある栗色の髪 整えられたシンプルで綺麗なネイル 真っ白な肌 おっとりした個性的な話し方 
数年前に高級住宅地に家を購入し
仕事もしながら
家族で人生順風満帆に過ごしてると思っていた


彼女とは親戚の集まりで2.3年に数回あったのみで
ここ数年はコロナの影響もあり
彼女以外の家族も誰とも全然会って居なかった

突然、亡くなったと義理兄夫婦から知らせを聞いて
言葉が出なかった
都合ですぐには行けず、次の日の朝、急いで自宅まで駆けつけた

亡くなった彼女の顔を見ると
面影が無いほど痩せていた
手足は浮腫み

顔も
服も
体型も
私の知っていた彼女ではなかった

唯一手掛かりといえば
死と対極的な明るいピンク色のネイルが 爪先で艶やかに光っていた

私は涙を堪えることが難しくて
何をして良いか 話して良いか判断できず
一言二言 挨拶と ウイッグの前髪のほつれを指でそっとなぞり ただぼーっと見つめることしか出来なかった


時折ふと彼女の事を考えることがある
何故こんなにも早く人生を駆け抜けて行かなければならなかったんだろうと

そして彼女の死から学ばせて頂いた。

「人生は有限、限りなく生きること。」